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『無学で、おそらく学問など軽蔑している商人が、企業心と勤勉さによって、
かねて念願の余暇と独立を手に入れ、金持ち仲間や上流社会への出入りを許されるようになると、

知性と天才からなる、より高く近寄りがたい社会に否応なく目を向けるようになり、
自分の教養の不完全さや、富のむなしさ、不十分さをはっきりと感じ取り、

今度は、自分に欠けていることを思い知った知的教養を、
せめて自分の子供たちには保証してやろうと骨折ることによって、
さらに見識あるところを見せようとする。


こうして彼は、一族の創始者となるのである。』

――H.D.ソロー 森の生活